最終更新日:2026/10/31 | ステータス:取得完了予定日 2026/7/1(完了開示は未確認)
※「試算」は筆者計算、「所感」は筆者分析。会社開示・報道で確認できない事項は「非開示」「未確認」と明記。
1. 案件サマリー
| 項目 |
内容 |
| 発表日 |
2026/06/05(エムスリー適時開示) |
| 買手 |
エムスリー株式会社(2413、東証プライム) |
| 対象会社 |
株式会社ワイズマン(岩手県盛岡市、介護・医療福祉向けシステム) |
| 取引形態 |
株式取得(完全子会社化) |
| 取得株式数 |
242株(議決権100%) |
| 取得価額 |
非開示(KPMG FASのDCF法算定レンジ内と説明) |
| 売主 |
南舘聡一郎氏、MMK合同会社(対象会社による自己株式取得後の残余株式を取得) |
| 資金 |
自己資金 |
| 株式譲渡実行日 |
2026/07/01(予定) |
| 算定機関 |
KPMG FAS(DCF法) |
2. 当事者概要
買手:エムスリー
- 医療従事者向けプラットフォーム「m3.com」を基盤に、医療DX等を展開。
- 2026/3期 売上収益351,363百万円、営業利益73,547百万円。2027/3期予想 売上収益400,000百万円、営業利益80,000百万円。
対象会社:ワイズマン
| 項目 |
内容 |
| 所在地 |
岩手県盛岡市 |
| 設立 |
1983年 |
| 資本金 |
1億円 |
| 従業員 |
535名(2025年6月末) |
| 事業 |
医療・介護・福祉分野に特化したソフトウェア(医療・介護連携システム「MeLL+」等) |
| シェア |
介護老人保健施設で約40%、特別養護老人ホームで約25%(エムスリー資料) |
3. 取引スキーム
- 対象会社がまず自己株式を取得し、その後エムスリーが残る242株(100%)を南舘氏・MMK合同会社から取得する2段階構成。
- 自己株式取得の金額は非開示。エムスリーの実質的な取得コストは「株式取得額+対象会社が自己株取得に使った現預金」となる点に留意。
4. 取得価額・バリュエーション
- 取得価額は非開示。マルチプル試算は不可。
- 純資産2,744百万円(2025/6期)に対し、のれん・無形資産は相応の規模になる見込み。エムスリーは無形資産償却後もEPSプラスと説明。
5. 対象会社の業績推移(百万円)
| 項目 |
2023/6期 |
2024/6期 |
2025/6期 |
2026/6期見込 |
| 売上高 |
11,354 |
12,202 |
12,377 |
13,980 |
| 営業利益 |
457 |
△346 |
△222 |
1,586 |
| 経常利益 |
405 |
△379 |
△289 |
— |
| 当期純利益 |
219 |
△294 |
△170 |
— |
| 純資産 |
3,196 |
2,914 |
2,744 |
— |
| 総資産 |
20,070 |
21,165 |
20,027 |
— |
※2026/6期見込はエムスリー説明資料ベース。2期連続営業赤字からのV字回復を前提とする。
6. 買手の戦略的意図
- 介護領域の基盤獲得:老健・特養で高シェアの業務システムを取得し、医療(診療所・病院)から介護への面展開。
- AI活用による付加価値向上:エムスリー(ロジック製品「Care-Wing」)のAI活用事例をワイズマン製品に展開。
- 医療・介護間の情報連携強化:「MeLL+」等を通じ医療機関と介護施設の情報共有を強化し、地域医療連携を推進。
7. 業績への影響
- エムスリーは無形資産償却後もEPS増加(アクリーティブ)と説明。
- 2027/3期の連結影響額の定量開示は未確認(9か月分が連結見込み、試算)。
8. スケジュール
| 日付 |
事項 |
| 2026/06/05 |
取締役会決議・契約締結・公表 |
| 2026/07/01 |
株式譲渡実行(予定) |
9. 所感・論点(筆者分析)
- 介護ソフトの国内上位ベンダーを取得する、エムスリーの医療DX戦略における大型ボルトオン。
- 対象は2期連続赤字で、2026/6期の大幅増益見込みが価格の前提。DCFレンジ内という説明のみで価格非開示のため、高値掴みかどうかは検証不能。
- 総資産200億円規模と売上に比して大きく、資産内容(リース資産・前受金・ソフトウェア等)の確認が必要。
- 創業者からの事業承継案件であり、地方の有力ITベンダーが上場大手に帰属する流れの典型。
10. 未確認事項
- 取得価額、自己株式取得の金額。
- 株式譲渡実行(7/1)の完了開示。
- 取得関連費用、PPA・のれん額。
- 総資産が大きい要因(BS内訳)。
11. 出典
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