最終更新日:2026/10/31 | BIPROGY(旧日本ユニシス)(東証 8056) | 決算期:3月期(IFRS)
※本ページは会社開示(決算短信・説明資料・質疑応答)と報道に基づく。「試算」は筆者計算、「インプリケーション(筆者分析)」は筆者の見方であり開示内容ではない。金額は特記なき限り億円(百万円を億円換算、四捨五入)。
サマリー
金融・公共・流通向けのSI、アウトソーシング、ネットワーク機器・サーバー販売を手掛ける独立系大手SIer(大日本印刷が大株主)。2026年3月期は売上4,337億円・営業利益426億円。2027年3月期は売上4,700億円・営業利益484億円を計画。直近の1Q(4–6月)は、4/20の基幹システム移行(ユニアデックス統合)で約60億円の売上が後ろ倒しになり、営業利益△20.4%。翌日株価は△12.0%(試算)。一方で受注残は3,304億円(+421億円)と過去の水準を大きく上回る。2Q決算は11/5(未発表、10/31時点)。
目次
- サマリー
- 事業概要・セグメント
- 主要指標
- 投資論点・主要な争点
- 最新の見立て
- イベント(過去12カ月)
- 四半期決算(新しい順)
- └ 2027年3月期 1Q(4–6月)
- └ 2026年3月期 4Q(1–3月)・通期
- └ 2026年3月期 3Q(10–12月)
- └ 2026年3月期 2Q(7–9月)
- 未確認事項
- 出典
事業概要・セグメント
売上は、システムサービス、アウトソーシング、ソフトウェア、ハードウェア、その他で区分して開示。1Q FY3/27の売上はシステムサービス312億円、アウトソーシング288億円(+24.5%)、ハードウェア64億円(△57.5%)(説明資料)。顧客は金融、公共、流通、製造など。経営方針(2024–2026)では、コア事業(金融・リテール等)と成長事業(デジタルコモンズ等)を掲げる。
主要指標
| 項目 | 値 | 出典・注記 |
|---|---|---|
| FY3/26 実績 | 売上収益 4,337億円(+7.3%)/営業利益 426億円(+9.0%)/純利益 312億円、EPS 320.6円、配当130円 | 株探 |
| FY3/27 会社予想(据置) | 売上 4,700億円/営業利益 484億円/純利益 322億円、EPS 333.2円、配当140円 | 1Q説明資料 |
| 1Q進捗 | 売上915億円(△5.6%)/営業利益68億円(△20.4%)。通期営業益の14.1%(試算) | 1Q短信 |
| 株価(2026/10/30終値) | 4,939円。1カ月 +6.4%、3カ月 +1.5%、1年 △19.1%、52週レンジ 4,036–6,273円(試算) | Yahoo Finance(sources/yf_8056.T.json) |
| 時価総額 | 4,888億円 | 株探 |
| PER(会社予想)/PBR/配当利回り | 14.8倍/2.70倍/2.83% | 株探 |
| EV/EBITDA | 未算出(未確認事項参照) | — |
| 次回決算 | 2026/11/5(2Q)予定・未発表 | 会社IRカレンダー(株探の予定表) |
投資論点・主要な争点
- 1Qの売上後ろ倒しは一時的か:会社は基幹システム移行に伴う約60億円の期ズレで、粗利への影響は10億円強と説明。2Q以降に取り戻せるかが11/5の焦点。
- 受注残の質:受注残3,304億円(+421億円)には大型のGPU基盤案件が含まれる。ハードウェア中心の案件は利益率が低く、増収が利益にどこまでつながるか。
- 不採算・利益率:FY3/26の2Qでも「不採算の懸念案件」を理由に利益予想を据え置いた経緯がある。利益率10%台の維持が論点。
- バリュエーション:PER約15倍は国内SI同業の中で低め。1年で△19%と出遅れており、期ズレの解消が確認されれば見直し余地はある(筆者分析)。
最新の見立て
直近の材料は1Qの期ズレによる減益で、株価は8/6に急落した後も年初来で低迷している。会社は通期予想を据え置き、受注残は過去最高水準。11/5の2Q決算で、(1) 期ズレ分の回収、(2) 約200億円の大型受注の下期計上の確度、(3) 利益予想の据え置き継続、を確認したい。
イベント(過去12カ月)
| 日付 | イベント | インプリケーション(筆者分析) | 株価反応(翌営業日、試算) |
|---|---|---|---|
| 2025/11/5 | FY3/26 2Q決算・売上予想を上方修正(4,200→4,270億円)、利益予想は据え置き | 増収分の多くは低採算の製品販売、不採算懸念もあり利益は据え置き | △10.58%(対TOPIX △11.92pt) |
| 2026/2/4 | 3Q決算(9M営業益+20.6%)、CMJ(資料表記)のグループインによるリテール戦略 | 発表日当日に△8.8%(場中の発表か未確認) | +0.32%(対TOPIX +0.37pt) |
| 2026/4/20 | 基幹システム移行(ユニアデックス統合関連) | 1Qの売上期ズレの原因に | 4/20→4/21 +0.53%(参考) |
| 2026/4/30 | FY3/26決算・FY3/27予想(営業益484億円) | — | △1.81%(対TOPIX △1.94pt) |
| 2026/8/5 | 1Q決算(営業益△20.4%、約60億円の売上期ズレ) | 期ズレを嫌気して急落 | △11.99%(対TOPIX △12.56pt) |
| 2026/11/5 | 2Q決算(予定) | — | — |
四半期決算(新しい順)
2027年3月期 1Q(4–6月)
発表:2026/8/5
売上・営業利益・セグメント(前年比・計画比)
| 項目 | 1Q実績 | 前年比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 915 | △5.6% | 約60億円が後の四半期に期ズレ |
| 営業利益 | 68 | △20.4% | 粗利影響は10億円強(会社説明) |
| 純利益 | 45 | △23% |
売上区分:システムサービス312億円、アウトソーシング288億円(+24.5%)、ハードウェア64億円(△57.5%)。
受注・受注残
受注高1,199億円(前年比+246億円)、受注残高3,304億円(+421億円)。大型のGPU基盤案件を含む。約200億円の大型受注1件は下期に売上計上予定(1Q説明資料・質疑応答)。
業績予想の変更
通期予想(売上4,700/営業利益484/純利益322億円、配当140円)は据え置き。
説明会・開示の主なポイント
- 4/20の基幹システム移行(ユニアデックス統合)で、検収・売上計上の処理が遅れた
- アウトソーシングは2割超の伸び
- ハードウェアは前年の大型案件の反動で半減
インプリケーション(筆者分析)
期ズレが主因であれば2Q以降に戻るが、市場は利益の質を疑って急落した。受注残の積み上がりは強く、11/5に期ズレの回収が確認できれば株価の見直し材料になるとみる。
株価反応(試算)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 発表前日終値 | 4,712円(8/4) |
| 発表日終値 | 4,736円(8/5) |
| 翌営業日終値(8/6) | 4,168円 |
| 騰落率(発表日終値→翌営業日終値、試算) | △11.99% |
| 同期間 TOPIX連動ETF(1306)(試算) | +0.57% |
| 対TOPIX相対(試算) | △12.56pt |
2026年3月期 4Q(1–3月)・通期
発表:2026/4/30
売上・営業利益・セグメント(前年比・計画比)
| 項目 | 4Q実績 | 前年同期(試算) | 前年比(試算) | 通期実績 |
|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1,268 | 1,247 | +1.7% | 4,337(+7.3%) |
| 営業利益 | 123 | 139 | △11.6% | 426(+9.0%) |
通期は修正計画(売上4,270/営業利益426億円)に対し売上+1.6%、営業利益は計画どおり(試算)。前年4Qは前年通期(4,040/391億円)から9M(2,793/252億円)を差し引いた試算値。
受注・受注残
通期・4Qのセグメント別受注高・受注残は決算説明資料に記載があるが、資料が画像主体で数値は未取得(未確認)。
業績予想の変更
FY3/27予想:売上4,700億円(+8.4%)、営業利益484億円(+13.6%)、純利益322億円、配当140円(試算は前年比)。
説明会・開示の主なポイント
- 経営方針(2024–2026)の進捗を説明
- 年間配当は期初120円から130円に増配
インプリケーション(筆者分析)
通期は計画どおりで新年度の増益計画も示したが、株価の反応は小さかった。
株価反応(試算)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 発表前日終値 | 4,652円(4/28) |
| 発表日終値 | 4,474円(4/30) |
| 翌営業日終値(5/1) | 4,393円 |
| 騰落率(発表日終値→翌営業日終値、試算) | △1.81% |
| 同期間 TOPIX連動ETF(1306)(試算) | +0.13% |
| 対TOPIX相対(試算) | △1.94pt |
4/29は祝日。
2026年3月期 3Q(10–12月)
発表:2026/2/4(発表時刻は未確認)
売上・営業利益・セグメント(前年比・計画比)
| 項目 | 3Q実績 | 前年同期(試算) | 前年比(試算) | 9M累計(前年比) |
|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1,017 | 933 | +9.0% | 3,068(+9.9%) |
| 営業利益 | 90 | 73 | +23% | 303(+20.6%) |
システムサービスが堅調、ネットワーク機器・サーバー販売の好調が継続(会社説明)。
受注・受注残
9M受注高3,020億円(+7.3%)、受注残2,850億円(△2.4%)。システムサービス受注は1,045億円(+11.3%)(3Q説明資料)。
業績予想の変更
通期予想は据え置き(売上4,270/営業利益426億円)。
説明会・開示の主なポイント
- CMJ(資料表記)のグループインで、注力領域リテールをFY2030に売上600億円以上・営業利益率20%以上に
- AI需要予測・自動発注・AI棚割との連携を検討
インプリケーション(筆者分析)
業績は堅調だが、受注残が前年を下回ったことと、リテールのM&Aへの評価が分かれたとみる(筆者分析)。
株価反応(試算)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 発表前日終値 | 5,122円(2/3) |
| 発表日終値 | 4,669円(2/4) |
| 翌営業日終値(2/5) | 4,684円 |
| 騰落率(発表日終値→翌営業日終値、試算) | +0.32% |
| 同期間 TOPIX連動ETF(1306)(試算) | △0.05% |
| 対TOPIX相対(試算) | +0.37pt |
発表日当日に△8.8%。
2026年3月期 2Q(7–9月)
発表:2025/11/5
売上・営業利益・セグメント(前年比・計画比)
| 項目 | 2Q実績 | 上期累計 | 上期前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1,083 | 2,051 | +10.3% |
| 営業利益 | 128 | 214 | +19.0% |
上期はシステムサービス、ネットワーク機器・サーバー販売の大型案件で大幅増収。人件費(+10億円)、研究開発費(+4億円)の増加を吸収して増益。2Q単体の前年比は未計算(未確認)。
受注・受注残
上期受注高2,038億円(+8.6%)、受注残2,886億円(△1.0%)。年度内売上予定分は順調に積み上がり(2Q説明資料)。
業績予想の変更
通期売上を4,200→4,270億円(+70億円)に上方修正。営業利益426億円・純利益290億円は据え置き。配当予想は120円(前年110円)。
説明会・開示の主なポイント
- 増収分の多くが低採算の製品販売と想定
- 不採算となる懸念案件があり、利益予想は据え置き
インプリケーション(筆者分析)
上期の好調でも利益予想を据え置き、不採算の懸念に言及したことで、期待との落差が大きくなった。
株価反応(試算)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 発表前日終値 | 6,160円(11/4) |
| 発表日終値 | 6,156円(11/5) |
| 翌営業日終値(11/6) | 5,505円 |
| 騰落率(発表日終値→翌営業日終値、試算) | △10.58% |
| 同期間 TOPIX連動ETF(1306)(試算) | +1.34% |
| 対TOPIX相対(試算) | △11.92pt |
株価データ:Yahoo Finance チャートAPI(8056.T/1306.T)の日次終値(分割調整後)を筆者がダウンロードし試算(sources/yf_8056.T.json, sources/yf_1306.T.json)。TOPIXは指数の日次データを取得できなかったため、TOPIX連動ETF(1306.T)の騰落率で代替(試算・近似)。決算発表が大引け後の場合、初期反応は「発表日終値→翌営業日終値」で計測。
未確認事項
- EV/EBITDA未算出
- 2Q FY3/26単体の前年比
- FY3/26通期・4Qのセグメント別受注データ(資料が画像のため未取得)
- 3Q(2/4)の発表時刻と、当日△8.8%の要因
- 「CMJ」の正式社名と取得条件(BIPROGYの資料表記のまま。キヤノンMJとは別の会社とみられる)
- 11/5の2Q決算(未発表)
出典
- 1Q FY3/27 決算説明資料
- 1Q FY3/27 説明資料(スライド)
- 1Q FY3/27 質疑応答
- 1Q FY3/27 決算短信
- FY3/26 決算説明資料
- 3Q FY3/26 説明資料
- 2Q FY3/26 説明資料
- 株探 決算
- 株探ニュース(1Q)
最終更新日:2026/10/31