野村総合研究所(NRI)|企業ウォッチ

最終更新日:2026/10/31 | 野村総合研究所(4307) | 決算期:3月(IFRS)。FY3/27=2026年度
※本ページは会社開示(決算短信・説明資料)と報道に基づく。「試算」は筆者計算、「筆者分析」は筆者の見方であり開示内容ではない。金額単位は億円(百万円を億円に換算・四捨五入)。

サマリー

事業概要:コンサルティング、金融ITソリューション(証券・保険・銀行向け共同利用型サービス)、産業ITソリューション(海外の豪州・北米を含む)、IT基盤サービスの4セグメント。国内の営業利益率は20%を超えて高い一方、海外(豪州・北米Core BTS)は不振で、2025年度に大型の減損を計上した。

主要指標

項目 値 備考
売上収益 FY2025実績 8,147(+6.5%)
営業利益 FY2025実績 582.7(減損前1,566.7、19.2%) 減損:豪州約770億円、北米約200億円
FY2026会社予想(10/29修正後) 売上 8,700/営業利益 1,800/当期利益 1,230/EPS 218.50円/配当88円 期初 8,500/1,750/1,190
株価 6,232円(2026/10/30終値)。1カ月 +25.8%、3カ月 +15.9%、1年 +5.8%、52週レンジ 3,561–6,399円(試算、Yahoo Finance終値ベース)
時価総額 約3.5兆円(試算) 6,232円 × 想定株式数約5.63億株
PER(予) 約28.5倍(試算) 6,232円 ÷ 218.50円
EV/EBITDA 未確認

投資テーマと論点

  • テーマ:国内の金融IT(共同利用型)を高マージンで伸ばし、中計2028(AI投資800億円、Anthropicとの提携)で生成AIを取り込む。
  • 論点①生成AIが受託開発を代替するとの懸念。2026年は決算翌日に△13〜17%の下落が3回あった。
  • 論点②海外:減損後に黒字化できるか(会社は小幅黒字を見込む)。
  • 論点③コンサルティングの稼働率が低下している(上期の営業利益は△6.8%)。

直近の要点:Q2(10/29)は上期の営業利益が+12.0%(利益率20.5%)で、通期を上方修正し増配した(84→88円)。これまでの3回の決算ではいずれも翌日に急落していたが、今回は+4.0%(対TOPIX +5.2pt)と反転した。株価は1カ月で+25.8%と戻している。筆者分析:AI代替への懸念はいったん後退した。ただし海外とコンサルの回復はまだ確認できていない。

目次

イベント(過去12カ月)

日付 イベント インプリケーション 株価反応(翌営業日、試算)
2026/1/29 Q3決算 営業利益が市場予想を約20億円下回り、海外は営業赤字(株探) △17.3%(対TOPIX △18.0pt)
2026/4/24 FY2025決算(海外の減損約970億円)、中計2028、700億円の自社株買い、Anthropicとの提携 減損で膿を出し切り、AI戦略を提示 △13.4%(対TOPIX △14.0pt)
2026/7/30 Q1決算。予想は据え置き サプライズが限定的で出尽くし △16.0%(対TOPIX △17.1pt)
2026/10/29 Q2決算。上方修正と増配 初めて上方修正で反発 +4.0%(対TOPIX +5.2pt)

四半期決算(新しい順)

2026年度Q2(発表2026/10/29)

項目 上期実績 前年比
売上収益 4,299 +8.3%
営業利益 882.7(20.5%) +12.0%
当期利益 600.1 +12%
Q2単体 営業利益率 21.2% 前年20.6%
Q2単体 当期利益 308 +11.7%(松井証券)
セグメント(上期) 売上 営業利益
コンサルティング — 77.8(△6.8%、稼働率低下)
金融IT 2,445(+8.8%) 423(+17.7%)
産業IT(海外含む) 1,143(外部売上) 149
IT基盤サービス — 227

受注:売上+通期売上となる受注残は7,241億円(+8.8%)で、通期予想に対するカバー率は85.2%。

ガイダンス:売上 8,500→8,700、営業利益 1,750→1,800、当期利益 1,190→1,230(EPS 218.50円)。配当は84→88円。海外は小幅黒字の見込み。

Q&A要点:未取得(Q2のQ&A資料は本ページ作成時点で未確認)。

筆者分析:金融ITの営業利益+17.7%が利益全体を押し上げている。カバー率85%で、下期の確度は高い。

株価反応

項目 値
前日終値(発表前日) 6,137円
発表日終値 5,992円
翌営業日終値(2026/10/30) 6,232円
騰落率(発表日終値→翌営業日、試算) +4.0%
TOPIX代替(1306.T)同期間 △1.2%
対TOPIX相対(試算) +5.2pt

2026年度Q1(発表2026/7/30)

項目 Q1実績 前年比
売上収益 2,104.6 +7.5%
営業利益 417.1(19.8%) +12.0%
コンサルティング 営業利益 29.0 △8.7%
金融IT 営業利益 207.4 +18.9%

ガイダンス:据え置き。Q&A:海外の受注は現地通貨ベースでまだ減少している。

筆者分析:実績は堅調だったが、据え置きで出尽くしとなった。AI関連株への資金シフトという需給面の要因が大きいとみる。

株価反応

項目 値
前日終値(発表前日) 5,493円
発表日終値 5,576円
翌営業日終値(2026/07/31) 4,686円
騰落率(発表日終値→翌営業日、試算) △16.0%
TOPIX代替(1306.T)同期間 +1.1%
対TOPIX相対(試算) △17.1pt

報道:営業利益は小幅に市場予想を上回ったが、通期の据え置きでサプライズが限定的だった(Fisco/Investing.com)。

2025年度通期(発表2026/4/24)

項目 FY2025実績 前年比
売上収益 8,147 +6.5%
営業利益 582.7 △56.8%
減損前営業利益 1,566.7(19.2%) +16.1%
当期利益 152.6 —
配当 77円 —

減損:豪州約770億円、北米Core BTS約200億円。自社株買いは700億円。FY2026期初予想:売上 8,500/営業利益 1,750/当期利益 1,190。中計2028:売上はFY2025比+1,350億円、海外売上1,200億円・営業利益率約5%。投資はAI 800億円、セキュリティ200億円、社会共創1,050億円。Anthropicと提携。

筆者分析:中計の成長率が控えめと受け止められ、AI代替懸念と重なって大幅安になったとみる(筆者推定。下落理由を明示した報道は未確認)。

株価反応

項目 値
前日終値(発表前日) 5,075円
発表日終値 5,092円
翌営業日終値(2026/04/27) 4,409円
騰落率(発表日終値→翌営業日、試算) △13.4%
TOPIX代替(1306.T)同期間 +0.6%
対TOPIX相対(試算) △14.0pt

2025年度Q3(発表2026/1/29)

項目 9カ月実績 前年比
売上収益 6,023 +6.0%
営業利益 1,187.8(19.7%) +16.0%
国内 営業利益 1,200.6(23.1%) —

ガイダンス:据え置き。海外の悪化を受けて構造改革を拡大し、費用はQ4に計上する見通し。Q&A:豪州はIT人材派遣とマネージドサービスの需要が弱く、北米はクラウドの受注が不足している。

株価反応

項目 値
前日終値(発表前日) 5,779円
発表日終値 5,685円
翌営業日終値(2026/01/30) 4,701円
騰落率(発表日終値→翌営業日、試算) △17.3%
TOPIX代替(1306.T)同期間 +0.7%
対TOPIX相対(試算) △18.0pt

株探:営業利益が市場予想を約20億円下回り、海外が赤字に転落。

株価データ:Yahoo Finance チャートAPI(4307.T/1306.T)の日次終値を筆者がダウンロードし試算(sources/yf_4307.json, yf_1306.json, sources/reactions_company.json)。TOPIXは指数の日次データを取得できなかったため、TOPIX連動ETF(1306.T)の騰落率で代替(試算・近似)。決算発表は大引け後のため、初期反応は「発表日終値→翌営業日終値」で計測。

未確認事項

  • Q2のQ&A
  • セグメント売上(コンサルティング・IT基盤)の上期値
  • EV/EBITDA
  • 4/24の急落理由を明示した報道

出典

最終更新日:2026/10/31