最終更新日:2026/10/31 | ステータス:取得完了(2026/8/21)
※「試算」は筆者計算、「所感」は筆者分析。会社開示・報道で確認できない事項は「非開示」「未確認」と明記。
1. 案件サマリー
| 項目 |
内容 |
| 発表日 |
2026/07/30(ゼネテック適時開示) |
| 買手 |
株式会社ゼネテック(4492、東証スタンダード) |
| 対象会社 |
株式会社クラステクノロジー(生産管理・BOMパッケージ) |
| 取引形態 |
株式取得(完全子会社化)。売主はPEファンド(ファンドのエグジット) |
| 取得株式数 |
7,000,000株(100%) |
| 取得価額 |
1,830百万円(アドバイザリー費用等約85百万円を含めると合計約1,915百万円) |
| 売主 |
ニュー・パラダイム・ファンド1号投資事業有限責任組合(2013年組成、出資総額30.5億円、中小企業基盤整備機構49.1%出資。業務執行組合員:フロネシス・アドバイザーズ有限責任事業組合) |
| 株式譲渡実行日 |
2026/08/21(完了開示済) |
| 連結開始 |
みなし取得日9月末、第3四半期から連結 |
2. 当事者概要
買手:ゼネテック
- 製造業向けエンジニアリングソリューション(CAD/CAM等)・システム開発を展開。
- 2026/3期 売上高10,983百万円、営業利益820百万円、純利益510百万円。2027/3期予想 売上高11,500、営業利益700、純利益365(百万円)。
- (中期経営計画の数値目標は本稿では未確認)
対象会社:クラステクノロジー
| 項目 |
内容 |
| 所在地 |
東京都渋谷区代々木 |
| 代表者 |
利根川泰士、早川泰司 |
| 設立 |
1996/9/11(現法人は2020/1/17設立) |
| 資本金 |
350百万円 |
| 事業 |
コンピュータソフトウェアの開発とシステムインテグレーション(開示上の記載。BOM・生産管理パッケージで知られる) |
3. 取引スキーム
- ファンドが保有する全株式をゼネテックが現金で取得。
- 現法人の設立は2020/1/17(創業1996年)。ファンドによる取得の経緯・時期は未確認。
4. 取得価額・バリュエーション(試算)
| 指標 |
値 |
備考 |
| 取得価額(株式価値) |
1,830百万円 |
アドバイザリー費用除く |
| P/S(2026/3期売上2,248) |
0.81倍 |
試算 |
| PBR(純資産847) |
2.16倍 |
試算 |
| PER |
算出不能 |
2026/3期 純損失△216 |
| P/営業利益(2024/3期 239) |
7.7倍 |
試算、ピーク期ベース |
| のれん概算 |
約983百万円 |
1,830−847。PPA前の粗い試算 |
※ネットキャッシュ非開示のためEV試算は不可。株式価値ベースで計算。
5. 対象会社の業績推移(百万円)
| 項目 |
2024/3期 |
2025/3期 |
2026/3期 |
| 売上高 |
2,295 |
2,506 |
2,248 |
| 営業利益 |
239 |
9 |
△278 |
| 経常利益 |
234 |
12 |
△280 |
| 当期純利益 |
131 |
△18 |
△216 |
| 純資産 |
1,122 |
1,064 |
847 |
| 総資産 |
1,887 |
1,867 |
1,406 |
6. 買手の戦略的意図
- 設計(CAD/CAM)から生産管理への領域拡大:製造業顧客に対し設計から生産管理まで一貫提案(筆者解釈を含む)。
- 自社パッケージ・ストック収益の獲得:代理店販売中心の収益構造に、自社IPと保守収益を追加。
- 非連続成長:連結売上115億円規模(2027/3期予想)に約22億円の売上を上乗せ(単純合算、試算)。
- 取得完了と同時に、ゼネテック社長の上野憲二氏が取締役会長、同副社長の鈴木章浩氏が代表取締役副社長に就任するなど役員を派遣(利根川社長・早川専務は留任)。
7. 業績への影響
- 第3四半期から連結。対象会社は直近期赤字のため、短期的には連結利益の押し下げ要因になり得る(所感)。
- のれん償却(日本基準)も負担。開示上の通期影響額は未確認。
8. スケジュール
| 日付 |
事項 |
| 2026/07/30 |
取締役会決議・契約締結・公表 |
| 2026/08/21 |
株式譲渡実行・完了開示 |
| 2026/09末 |
みなし取得日 |
9. 所感・論点(筆者分析)
- 中小機構出資の地域・中小向けファンドからの売却で、国内中小PEのエグジット先として上場IT企業が機能した事例。
- 直近2期で業績が急悪化しており、PBR2倍強・売上0.8倍は「再建前提」の価格。ターンアラウンドの成否が鍵。
- ゼネテックの時価総額・純資産に比べ取得額は大きく、財務負担(借入有無)の確認が必要。
10. 未確認事項
- 資金調達方法(自己資金/借入)。
- 2027/3期業績予想の修正有無。
- 対象会社のネットキャッシュ、赤字要因の詳細。
- ファンドの取得時期・取得価額。
11. 出典
※TDnetのURLは約1ヶ月で掲載終了。以後は各社IRサイトを参照。
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